札幌駅からまたすすきのへ。目当てはラーメン横丁。昨夜飲んだばかりで本当なら胃に優しいもので済ませたいところだが、せっかくなので。といってもラーメン横丁という言葉以外は何も知らない。そもそもうまい店があるかどうかも知らない。
駅から出て早速方角を間違えて客引きのお兄さんに声を掛けられまくる。横浜とは流儀が違う。横浜では道に立って声を掛けるだけだが、こちらでは同じ方向に歩き出して寄り添って話し出す。気色悪い。
どうにかラーメン横丁にたどり着き、一軒一軒覗いてみる。通る店通る店、姿を見るや「いらっしゃい、どうぞ!」と来るので逃げるように通り過ぎ、端まで来てしまった。
値段はどこも同じ。どこがおいしいのか見当も付かない。1時になろうという時間だから混んでいる店はない。が、一人も客のいない店もある。そこそこ人のいる店に入って醤油ら〜めん注文。
食べ始めた途端に周囲の客が食べ終わって席を立ち、またたく間に店の主人と二人きりに。おしゃべりではないらしかった。こちらも無言。私は食べるのが遅い。席はカウンターのみ。濃密な時間。
相変わらず外では人が通るたびに「いらっしゃい」の声、声、声。そういえば、この店の主人は声を出さない。
「呼び込みの声がすごいですね」とかなんとか話し掛けてみると、
「うるさいよね」
「呼ばれたからって入るかよ」
「何食うか決めんのは客なんだから」
プロレスの話なぞしてみると、社長になる前の武藤や、新日時代の長州など常連客は結構いた(いる)らしい。
明日は小樽か定山渓に行くつもりだと言うと、「小樽ならここの寿司屋がいいよ」と案内をくれる。気持ちは八割方定山渓に傾いていたが、こういう流れに身を任せるのも面白いかと思い始める。
「昨夜はすすきので遊んだの?」
★★★★★
★いいえ★
★★★★★
ラーメンはうまかった。と思うけどいかんせん胃の調子が。後でわかったことだが、ラーメン横丁はかなり当たり外れがあり、私の入った店は評判がいいらしい。