悪筆との闘い


〜 第一章 お前はのび太か 〜
2000.8.6


1.はよやれ

受講申込
 7月中旬、NHK学園なる所の「ペン字・基礎編」の受講を申し込む。期間は6ヶ月で添削は5回。受講料は17,000円。高い。
 ホームページはここ。http://www.nhk-grp.co.jp/n-gaku/(リンク切れ)
 数日後、テキストと練習帳兼提出用紙が届く。全50課題で、毎回10課題のうち5つを選んで提出せよとのこと。課題ごとに、字をなぞる用紙が1枚、枠だけの用紙が2枚(または3枚)ある。
 つまり各回30枚強書くことになる。6ヶ月で約150枚。

きれいな字
 手本をパラパラとめくってみると、自分の思い描く「きれいな字」とちょっと違う。こういう字は書きたくないぞ、おい。
 が、後日送られて来た機関誌によれば、手本そっくりに書く練習(臨書)は、形を捉える能力と思い通りの線を引く能力を磨く上で極めて重要なのだとか。なるほど、そういうものか。
無個性指向?  
 では自分の考える「きれいな字」とはどんな字なのかと自問自答して得た結論に思わず苦笑。なんのことはない、活字みたいな字が書きたいだけらしい。
 無個性?いやいや、私は字に限らず無個性と紙一重の透明さが好きなのだ。
 安易な自己主張を取り払った上でにじみ出る個性こそ美しい。かどうかは知らねども。

なたさかあ
にちしきい
ぬつすくう
ねてせけえ
のとそこお

   
机がない
 私の部屋にはいわゆる学習机がない。数年前に処分してしまったのだ。パソコンデスクは幅1mという大きめのものを使っているが、ペン習字にはそれでも狭すぎる。
 そこで誰も使っていない机を調達した。これで部屋には机が5つ。それでもかつては3人兄弟共用で広いだけが取り柄(クーラーもない)の私の部屋は余裕たっぷりだ。

正座かあぐらか
 正座はあまり苦にならない。が、机が低く感じる。テキストには「机の高さはヘソの高さに合わせる」とあり、その通りの高さだが、やはり書き辛い。
 そこで座椅子に座布団を乗せ、あぐらを掻くことにした。講師には内緒。

ペンの選択
 テキストには「好きなものを」とある。私が最も書きやすいと感じるのは鉛筆である。が、あまりに実用性がない。迷った末、油性ボールペンを使うことにした。80円のやつ。

お前はのび太か
 いよいよ机に向かったはいいが、なかなか手が付かない。だって自分の字の汚さを改めて思い知るのが嫌なんじゃ〜。西原理恵子の「まあじゃんほうろうき」じゃあるまいし、6ヶ月の講座で結局進歩しなかったらどうする。
 テキストだけなら、その辺の本屋で数百円で手に入るんだよなあ、などとこの期に及んでけち臭いことを考えたり。
 受講するのはもう少し字がうまくなってからにすればよかった。というとても面白いギャグ。8月4日現在、いまだ手付かず。はよやれ。


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